フードコーディネーターレポート

フードコーディネーターレポート「フードコーディネーターとしての活動レポート」本多さん編

  • 2012年06月29日
  • 日本フードコーディネーター協会

本多真さん 

 

 

フードコーディネーター1級
食の商品開発)


 

祖母と母が料理教室を主宰していたことから、子供の頃の遊び場は調理場でした。
味噌や梅干しなどの保存食品を作ったり、天火(オーブン)を使ってパンを焼いたり、マヨネーズを作ったりして料理の楽しさを体験したのが私のルーツだと思います。
食品関係の仕事に就こうと専門性の高い大学に進学したときの恩師が紹介してくれたのが現在務めている㈱いちまるです。静岡県焼津市に根を下ろして200余年の歴史ある企業が、当時、専門調理の世界で話題になり始めていた真空調理(スービット)専用工場を建設しようとしていると聞き、この分野のオープニングスタッフとして入社しました。
初めの数年間は、真空調理(スービット)に関する技術の紹介や衛生管理などの啓蒙活動が中心でしたが、全国のシェフ達に可愛がっていただくことができました。
様々な経験を積むことで、自社商品開発のヒントを掴んだりシェフ達へのメニュー提案などを行ったりできるようになり、事業の基盤を創り上げることができました。

この数年は、㈱いちまるの食品事業本部の責任者として従来からつづく事業を再構築したり、新規事業を立ち上げたりしています。
中でも力を
入れているのが『米ペーストプロジェクト』です。
米ペーストとは、お米を水に浸して柔らかくしたものを水と一緒に石臼で磨り潰して作った素材です。
近年、米粉がブームになっていますが、パン生地に練り込もうとした時に米粉を使ったときよりも生地の膨化が良好で焼き上がりも安定し、老化も遅いという特徴があります。
この技術は
静岡県立大学が特許出願しているもので、一昨年前から産学連携事業として取り組んでいるものです。
米粉と米ペーストの最大の違いは、粒子の大きさ(粒径)です。

米粉の場合は微細粉と言われるものでも20~30μmですが、米ペーストの場合は 5~10μmという超微細になっています。
この違いは、米が
単粒デンプンにまで細かくなっているか、複粒デンプンの状態になっているかということを表して いて、加工食品を作る際の差に繋がっていると考えています。

5月に東京ビッグサイトで開催された『ifia  JAPAN 2012』 に出展したところ、米粉メーカーをはじめ、米粉を利用しているメーカー、米粉改良材メーカーなど専門的に研究している方達から高評価を得ることができました。
米ペーストという素材を研究しているのは他に例がないため試行錯誤していますが、『専門バカにならないように』気をつけながら『自由な発想で』『思いつい たことは全てチャレンジしてみる』『情報をオープンにする』といった姿勢で取り組んでいます。
お陰で周囲の専門家の方達と知り合うことができ、また、応援 していただけるようになりました。
このような出会いも開発のヒントやきっかけを広げることに繋がっています。

米ペーストについては、今年はじめて米作りに取りかかります。これも、知り合いになった農家さんの意見を聞きながら『目標とする米』を完成させようというもので、3年以上掛かる取組です。
地元のお米にこだわった“おいしい”食パンを学校給食で子供達に食べさせられるようにするのが当面の目標です。
私が常に意識しているのは、「自分一人でできることには限界があり、人とのコミュニケーションによって仕事のクオリティを高めることができる」ということ。

複数の専門家からのアドバイスを踏襲してレベルアップさせたり、素人目線の意見を吸い上げて消費者目線の表現をしたりできるのは、フードコーディネーターならではですね。
「おいしい・楽しい・元気になる」を表現できるフードコーディネーターは最高の仕事だと思います。

 プロフィール

氏名:本多真
職業:株式会社 いちまる 取締役 食品事業本部長
資格: 調理師    第一種衛生管理者
    (社)日本食品衛生協会 HACCP指導者養成研修修了
    フードコーディネーター2級(レストランプロデュース、食の商品開発、食のイベント・メディア)

いちまるホームページ www.ichimaru-grp.co.jp/

『シェフの片腕』の食にこだわる生活  yaizuichimaru.eshizuoka.jp/