食のプロ・コラム

映画『武士の献立』で再認識!食のプロとして今、必要な心構え。

  • 2013年12月12日
  • 日本フードコーディネーター協会

 

 フードコーディネーター協会理事 
㈱アトリエ16 代表取締役社長 沢 亜紀

http://www.a-16.co.jp/


“包丁侍”?!初めて、耳にするこの言葉に妙に魅かれて・・・・・
松竹よりの試写会のお誘いを受けて久々に試写会に行ってきました。
この映画を観終わって感じたことは、「ご馳走」の言葉の意味を深く理解することができたことにあります。
このご馳走「馳走」は、本来、「走り回ること」「奔走すること」を意味します。昔は客の食事を用意するために馬を走らせ、食材を集めたことから、もてなしの意味が含まれるようになったそうです。そして、感謝の意味で「御(ご)」と「様(さま)」が付いた「御馳走様(ごちそうさま)」は、江戸時代後半から、食事の挨拶語として使われるようになったそうです。

そして、映画『武士の献立』の時代背景もまさしく江戸時代後半に設定されていました。”刀“ではなく”包丁“で、加賀藩に仕える武士の料理人のお話で、主君とその家族の日々の食事をまかない、時には諸国大名もてなす豪勢な饗応料理を仕切る実在の舟木伝内とその家族の物語りでした。舟木家が一丸となって加賀藩として最高のおもてなしの料理を作り出す為に、車も飛行機もない時代に足でその土地ならではの食を求めて奔走する姿は、まさしく「馳走」そのものでありました。


その姿には今も昔も変わらぬ料理人の食へのあくなき探
究心と創造力に満ち溢れています。また、加賀料理を息子に引き継ぎ、後世に残すため献立集「料理無言抄」を残すという偉業を親子で成し遂げています。そこには現代にも通じる料理の心とその神髄が見事に描かれていました。今、私達フードコーディネーターも、食の未来を耕す真摯な気持ちで日々の食の仕事に携わっていきたいと実感させられる映画です。
折しも、和食が無形文化遺産に登録されました。食関連の無形文化遺産では、既に「フランスの美食術」「地中海料理」「メキシコの伝統料理」「トルコのケシケキ(麦がゆ)の伝統」が登録さ
れており、和食は5件目になります。日本の食文化が国際的な評価を得たことで、外国人観光客の増加や農水産物の輸出拡大の可能性が大きくなってきました。

だから今、私達日本人こそが、もっと和食の本質や良さを再認識し自信をもって世界に発信できるだけの能力を呼び覚ます時代が来たと実感しています。そんな、信念と熱き思いを私の中に確認させてくれた素晴らしい映画でもありました。 

                                     
 ※映画『武士の献立』 は2013年12月14日から公開


                         

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