食のプロ・コラム

フードコーディネーターの仕事

  • 2011年11月22日
  • 日本フードコーディネーター協会

日本フードコーディネーター協会 理事
学習院女子大学 教授
江口 泰広



フードコーディネーターの仕事
 

  フード・コーディネーターの仕事は店舗やメニューの企画・開発、食教育インストラクター、食関連雑誌の編集等々、実に多様である。
  ではフード・コーディネーターに求められる能力、条件はなんであろうか。
  それはフード・コーディネーターの定義によるが、私は広義の視点でとらえている。
  それはある経営者の新店舗開発の話に原点がある。
  その経営者は新しい店舗を開発し、出店する時にどうするかという問いに次のように答えた。
 「まず時代・市場の動きを感じとり、どのような人がどのようなものを求めているか(顧客満足)を考える。

 次いでどのような街に、どのようなコンセプトの店を作るかをイメージし、どのようなメニューやサービスを提供するか、どのような雰囲気づくりをするか、そのためにはどのような店づくり(施設=ハード)をし、どのような人材(シェフのみならずフロア担当を含め)を集め、どのように彼らを教育するかを考え、そして店舗(事業)の継続的運営のための管理システムを考える」という。
 「もちろん顧客が納得する価格を設定し、顧客を獲得するための情報発信(プロモーションや話題創造)」も考える。
これらの指摘項目をごく簡単に整理すれば、マーケティングでいう4P(Product, Price, Place, Promotion。最近は4C=Customer, Cost, Convenience, Communication)でくくることができる。
  あるいは別の視点で整理すれば、
   ①感性力(Sense)=時代・市場・顧客へのセンス、
   ②戦略・発想力(Marketing)=どこに出店し、どんな店を作るか、
   ③技術力(Merchandising)=どんな店やメニュー(商品)を作るか、
     サービスを提供するか、
   ④経営管理力(Management)=どのように経営するか(継続的運営)、
という4つに集約できる。

  これは成功するフード・コーディネーターの条件と能力がマーケター(マーケティングを立案・実行する人)であるかどうかにかかっているということを意味している。
 自分自身のフード・コーディネーターという仕事を近視眼的に(狭義に)見るか、あるいはより広く定義するか、つまりフード・コーディネーターの仕事をどう認識するかによって、仕事の仕方と未来が大きく異なってくるということである。
  その意味で、フード・コーディネーターはすべからく自らの未来計画に次の言葉を心に銘記すべきであろう。
  すなわち
 “認識は戦略行動の原点である”。

 
江口 泰広 プロフィール


経歴:
  学習院大学経済学部卒業。ロータリー財団大学院奨学生としてUniv. of  North Texas、Boston Univ.の
    MBAに留学。経営学とマーケティングを専攻。
  (財)流通経済研究所、(財)日本総合研究所主任研究員として勤務するかたわら、立教大学講師、
   学習院大学講師。駿河台大学経済学部教授を経て学習院女子大学創設と共に国際文化交流学部教授。
   流通論とマーケティング論を原点に、流通システム論、販売・商品戦略論、情報システム論、国際ビジネス等、
   幅広く研究・執筆・講演活動を行っている。
   Fisher College(Boston, USA)名誉理事、日本フードコーディネーター協会理事、福島学院大学監事 他。

所属学会:
   日本フードサービス学会(副会長)、日本商業学会、日本広報学会、Association for Asian Studies (AAS) 他。

直近論文と主な著書・共著: 
    『マーケティングのことが面白いほどわかる本』(中経出版)(13万部強)
    「フードサービス産業とCSR(企業の社会的責任)-その戦略的意味の一考察-」
                                                                  (76,000字、日本フードサービス学会研究助成論文)
    『マーケティングの英語』         (NOVA)
    『IT革命で変わる 新しいマーケティング入門』 (中経出版)
    『大変化 1990年代を読む』      (中経出版)
    『感性からの市場戦略』          (ぱるす出版)
    『外資小売業』              (評言社) 他
    『新製品開発マネジメント』                (共著:ダイヤモンド社)
    『流通の転換 - 21世紀の戦略指針』   (共著:白桃書房)
    『奇跡のセールス物語』          (共訳:日本経済新聞社)
    『変革期の流通』             (共著:日本経済新聞社) 
    『日本の経営』              (共著:ダイヤモンド社) 
    『グレート・マーチャント』        (共訳:早川書房) 他

最近の食のプロ・コラム

2016年11月28日 農業王国デンマーク
2014年12月11日 コーヒーと地域貢献
2014年11月12日 鰻料理   エトセトラ NO3
2014年10月29日 鰻料理   エトセトラ NO2
2014年10月07日 鰻料理   エトセトラ