食のプロ・コラム

5 A DAY運動とその運営について ~全国で年間25,000人の児童が参加する食育授業を展開~

  • 2009年10月15日
  • 一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会 事務局長 入谷靖子

5 A DAY運動・5 A DAY協会をご存知ですか?

5 A DAY運動とは、「1日に5皿以上の野菜と200gの果物を食べましょう!」をスローガンとした食育活動です(http://www.5aday.net/)。子どもから大人まで、日常生活の中での野菜摂取量を簡便に把握できるこのカウント方法は、米国から始まり、今や世界30カ国以上で展開されています。

日本では、5 A DAY協会と、食をとりまく企業約140社の会員企業(うち流通企業が87社)が連携し、社会貢献活動としてその推進をしています。活動内容は、近隣小学校の子どもたちをスーパーマーケットへ招待して実施する【食育体験ツアー】や、【従業員食堂での大人向け食育活動】、【外食・中食】業態と連携した野菜摂取啓発など、全世代の方を対象とした食育プログラムの展開です。

さて、その運動を展開する5 A DAY協会は、平成19年度に法人組織となり、私をはじめとする専従者が追加となり新たなスタートを切りました。現在では、会員数は当時の120%、食育体験学習への参加児童数は2倍、食育指導を担う契約の栄養士団体も、全国各地11団体になりました。

また、昨年度に実施した食育体験ツアーの全国統一調査では、参加児童のみならず、ツアーに同行した教師や保護者自身も野菜を積極的に食べるようになるなどの食生活の変化がみられたと、報告されました。
調査報告書はコチラから:http://www.5aday.net/report_vol17.html

これらの活動とその運営についてご紹介させて頂きます。

7万人の児童が参加した食育体験学習とその運営

当協会の食育体験学習(食育体験ツアー)は、会員企業のスーパーマーケット店頭で実施されます。売場にある旬の野菜・果物が活きた教材となります。ツアーの目玉プログラムは、児童が決められた“ミッション”に従って答えとなる野菜・果物を購入しながら、野菜や果物について学習した内容をおさらいできる「お買い物ゲーム」です。スーパーでしかできない指導内容と、ゲーム要素のある疑似買い物体験を盛り込んだ学習プログラムは、随行の教育者や保護者の方にも、とても喜ばれています。

このツアーは、会員企業の担当者が、主催者として自ら近隣の小学校へ出向いて誘致を行ないます。こういった交わりが近隣のお客様のロイヤリティーの創出にもつながっていると思います。協会が運営の主催者となっていては、ここまでの全国展開は不可能だったでしょう。今では、教育委員会からの推薦を得る県もあり、地域にだんだん根付いた形になってきました。
協会では、これらに関わる、プログラムやツールの開発、食育インストラクター(指導者)の育成と派遣、実際の食育体験ツアー実施にあたっての会員企業の現場サポート等、支援を行なっています。

全国での実施体制を支える仕組みとプロフェッショナルのサポート

5 A DAY食育体験ツアーの特徴は、全国均一のプログラムを提供できる仕組みです。学習内容は、学校の授業にほぼ相応した“基礎学習(三色食品群と食事バランスガイド)”と“野菜を食べる大切さ”です。指導用ツールや教材は、毎年改良を続けています。現在では11の栄養士団体に所属する精鋭の管理栄養士が指導を努めています。大人と違い集中力が極めて短い児童への指導は、とくに「子どもに理解してもらいたい!」という熱意とスキルが必要です。当協会では、定期的に栄養士団体と連携し、講師の研修を実施しています。

従業員食堂における大人への食育活動

大人への食育活動として、従業員食堂等において、“野菜をたべようキャンペーン”を展開しています。会員企業の給食事業会社とともに、“野菜たっぷり定食や5 A DAYメニュー”を展開し、従業員への野菜摂取喚起を行ないます。メタボと野菜中心の健康食生活は切り離せません。従業員食堂は、多くの働く大人の集う最適な食育の場です。今後も、継続して国民の食生活の改善・啓発活動に取り組みたいと考えています。

5 A DAY商品や告知ツールを使った啓発活動

協会では“5 A DAY”のロゴを通じて、消費者に“このマークは野菜を食べようというアイコン”として認知されることを目指しています。スーパーの青果売場や、コンビニなどで5 A DAYサラダとして展開されておりますが、いかに理解を進めていくかがこれからの課題です。食育体験学習や従業員食堂での食育活動といったアクションを通じて、向上させていきたいと願っています。

おわりに

5 A DAY協会 事務局長

【プロフィール】

  • 1998年 イリノイ州立大学 大学院 経営修士学科卒
  • 1998年 フォード自動車(日本) 新規事業開発部 マネージャー
  • 2004年 Yahoo!トラベル運営会社 たびげーター マネージャー
  • 2007年 ファイブ・ア・デイ協会 事務局長就任

当協会は、食品業界と密接に関わる運動を推進する団体ではありますが、その運営には、ソニーで戦略マーケティングを手がけてきた理事長、そして食品業界外の外資企業での新規事業開発に関わってきた私の2名が専従責任者として努めており、業界出身者がおりません。

私の仕事は、組織運営としての、会計・法務・プログラム(サービス)開発・広報をはじめ、資金運営・管理など、すべてに及びます。如何に社会に対して有益なサービスを提供できるか、有効な資金活用であるかは、民間企業よりも厳しく会員から問われます。世界では、社会事業をビジネス経験を積んだ人材が運営しているといいます。当協会の運営も、それに近いものがあると言えるでしょう。会員のご賛同・ご協力でここまで広がった5 A DAY運動を支える裏方として、今後も微力ながら貢献してゆきたいと思います。

読者の方におかれましては、ご質問やご関心のある分野があれば、お気軽にメールを下さい。

一般社団法人 ファイブ・ア・デイ協会
連絡先:03-5822-1373
問い合わせ:info@5aday.net

最近の食のプロ・コラム

2017年04月03日 コナ・スノー ってご存知ですか?
2016年11月28日 農業王国デンマーク
2014年12月11日 コーヒーと地域貢献
2014年11月12日 鰻料理   エトセトラ NO3
2014年10月29日 鰻料理   エトセトラ NO2