食のプロ・コラム

お客様により近づいて  ㈱フードシステム 古田基氏

  • 2009年07月22日
  • 日本フードコーディネーター協会

株式会社フードシステム
代表取締役会長 CEO
 古 田 基 氏

気低迷と言われる中、中食市場は、8兆2千億を超え、一段と細分化と専門化が
進んできている。
特に成長著しいのは、デリバリーや少量多品種、出来立ての鮮度感あるものなど、
従来以上に手間を要しているものに集中している。
ファースト・ファッションではないが、毎日、注目される新商品が店頭に
並んでこそ、行列が出来るなど、仮に安い物価でも毎日同じ商品では、
お客様を集める魅力とならない。
一方で、低価格化も進行している。
低価格化となっても、売上高が飛躍的に伸長するような単純な消費構造ではない。
量的に拡大しない状況下では、従来の枠組みで、努力を重ねても収益は改善しない。
食市場は、確実に成熟して来ている。
かつては、デパート・スーパーマーケット・のようなワンストップ・ショッピングの
形態が好まれた。
次には便利なだけでなく、低価格が求められ、安くて、品揃えも良くなければ
通用しなくなって来た。
しかし、今は、価格、品揃えと言う両軸の焦点が合っている上で、プラスアルファーの
価値提供が求められている。
中食の場合、安心安全、出来立てと言う鮮度が大きな柱となっている。
明確な価値のある価格に、奥行きの深い品揃え、顧客と積極的コミュニケーションの
できる専門店に人気が集まって来ている。
低価格を実行する為に、極端に省力化を図り、売場から人をを削減した店は、
お客様減少理由を把握出来なくなってしまった。


最近業績を伸ばしているスーパーでは、積極的にデモを行い、
お客様に近づいている。
商売の原点は、“店番”と言われる如く、売上高の数字を見るだけでなく、お客様と
コミュニケーションを積極的に行い、好みの変化を察知する必要がある。
最近お客様が待ってくれないと言う声を聞く。
待たなくなった、昔行列が出来ていた店も行列が短くなったのは、お客様が気が
短くなったのではなく、お客様には、他に選択肢が増加している。
例えば、デリバリーを依頼するとか、他でテイクアウトするとか、お客様の方の
選択肢が増加している割には、店側の選択肢は少ない。
不況下にあって、企業は如何に顧客情報を吸い上げるか、また、企業が如何に
顧客に発言させるかが、大きなテーマである。
その為には、店はお客様に何としても、より近づいて、積極的に店のコンセプトを
発信し、お客様の好みを吸収するかである。
米国で10年前から人気の食べ放題の店(オールドカントリー・ブッフェ、
ブッフェ・インクなど)が次々と閉店に追い込まれる中、ゴールデン・コラール
だけが、業績を伸ばしている。
理由としては、ハンドレッドクラブ(お客様の名前と顔を100名以上記憶する
スタッフの集まり)が大きな力となっているとのこと。
今、必要なことは、一人一人のお客様と積極的にコミュニケーションを取ることである。
お客様は、店でなく人につくと銘記すべきである。


レストランでもイベントを積極的に行い、お客様と一緒に楽しむことを行っている店は、業績が良い。

株式会社フードシステム
代表取締役会長 CEO
古田基氏 プロフィール

慶応大学卒業
昭和31年~51年 日本ビクター㈱
昭和51年~   ㈱フードシステム設立

●消費者中心の流通改革を唱え、「食・未来塾」「繁盛塾」「ザ・ベジタブルセミナー」などを
 25年余り600回を超え開催。
●海外ネットワークを通じ、20数年にわたり海外研修を主催。
●流通、外食、中食などを幅広く、ハイテク調理による、ハイタッチ・サービスをベースに
 コンサルティングを行う。
●全日本司厨士協会機関誌「西洋料理」に“フードサービス動向”を1999年より連載。
 日本食糧新聞社「食品新製品トレンド」に“開発のヒント”を2005年3月より連載中。
●著者“女ごころを知ればメシは食える”エイチアンドアイ出版
●繁盛店テイクアウトデリカ“キッチントマト”を展開中。
 “キッチントマト”は実業之日本社「ポケットカンパニー」の1997年ニュービジネス大賞銅賞受賞。

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