食のプロ・コラム

東南アジア最大級の食品見本市 THAIFEX World of food ASIA 2009レポート

  • 2009年06月23日
  • 日本フードコーディネーター協会

理事 江上種英

2009年5月16日、タイ・バンコクで開催されているTHAIFEXと市場視察に行ってきました。

今回はデンマーク農業理事会主催のもので、参加者は会員企業です。

新型インフルエンザが心配されましたが、THAIFEX予定通り開催とのこと。会場はバンコク郊外のIMPACTという、巨大なコンベンションセンターです。会場のカテゴリーは野菜・果物、冷凍食品、米、海鮮物、肉、調味料、インスタント食品、ファインフーズ(各国ブース)、スウィーツ、ヘルス&オーガニック、ハラール、酒、ソフトドリンク、サービス、ケータリング、食品機械です。

1.ハラールフード

今回、大きなスペースをとっていたのがハラールフードとよばれるイスラム教徒向けの食品です。イスラム法の下では豚肉とアルコールを食べることは禁じられていますが、それ以外の肉であっても殺し方が正規の手順に従ったものでなければ食べることができません。
また、その他の食品でも、加工や調理に関して一定の作法が要求されます。
この作法が遵守された食品がハラールフードです。

例えば、調理の際にラードなどを使用していないスナック、ゼラチンを使用していないキャンディ、肉エキスを含まないインスタント麺、保存目的のアルコールを添加していない醤油などです。100パーセントのフルーツジュースなども該当します。
ただし、工場でも、混入する可能性のある同じラインで、ハラールと非ハラールの食品を製造することはできません。

また、加工食品や肉は、表示だけを見て判断することが出来ないためハラールマークが必要となります。
タイではCENTRAL ISLAMIC COMMINITTEE OF THAILAND(CICOT)という団体が、商品の認定をし、マークを付与しています。

ハラールの食品のエリアには70ブース程出店していましたが、 他のゾーンでも多くのハラールマークを見かけました。
 現地三井物産の方は、「タイは周辺に多くのイスラム教国を持つので、 今後ハラールマークを取得することで、益々大きなマーケットが、期待できる」と言われていました。

2.日本食

もうひとつの大きな動きは「日本食」がトレンドになっていることでしょう。
多くの和食レストランをバンコク市内でもみかけましたが、THAIFEXでも多くの食材が展示されていました。

こちらは日本のアライドコーポレーションのブース。
和食が料理ごとに、キットになっています。
海苔・電子レンジ調理のごはん・醤油・ワサビ・寿司酢・巻きすなどが入っています。

アライドコーポレーション
www.allied-thai.co.jp/allied/catalog/2009_bfs_catalogue.pdf   


こちらは、日本のミツカンのブースです。
ほとんどの商品は日本のものを輸入しているとのことでしたが、焼肉とすき焼きのたれはタイ向けに味を調節しているということでした。




 
面白いのは、日系企業以外の商品のパッケージにも、日本語風の変な言葉が書かれていること。日本人なら笑ってしまいます。

大ブームの緑茶ででは、新芽チョーダイの歌もなかなかいい味だしています。

YOUTUBE でご覧ください。↓  
 shime tyoudai(新芽チョーダイ)
www.youtube.com/watch
www.youtube.com/watch

3.流通激戦区

タイには地元資本に加えて、多くの外資系スーパーマーケットが進出しています。テスコ・ロータス(英国資本)とカルフール(フランス資本)が並んで営業しているところを視察しました。

バンコクにはいたるところに市場がありますが、そのほとんどが地面にかごを置き野菜などの食料品を積み上げています。

価格もわからず、衛生面でも疑問符が残ります。

タイの人々は元々自宅であまり料理をしませんが、都市型新興富裕層の出現により、少々お金を出しても、しっかりと管理された食品を買いたいというニーズが増えてきました。

スーパーマーケットでは、市場の20パーセント増しぐらいの価格帯で、きちんと洗浄された清潔な野菜を包装して販売しています。

そして、伝統的なタイ料理も、キットにして大量に販売しています。

写真ではわかりにくいですが、南国の色鮮やかな食材が並ぶ様子はベジタブルアートのようです。

4.まとめ

10年ほど前、バンコクに高架鉄道や地下鉄を造る計画を聞いたとき、完成を信じることはできませんでした。なし崩し的に変更になったり、中止になる案件も多かったからです。

一方、タイはアジアの中で、食糧自給率が高い国だといわれています。昨年来の世界経済の悪化を受けても、とりあえず食べるものに困る層はほとんどいないのです。

マイペンライ(何とかなるさ~)で高度経済成長を手にいれ、高架鉄道や地下鉄、高速道路網も完成しました。レストランの凍りつくような冷房は相変わらずですが、改めてその不思議な魅力を再発見することができました。

サーチャージも下がった今、アジアのへそを一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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