食のプロ・コラム

鰻料理   エトセトラ NO3

  • 2014年11月12日
  • 日本フードコーディネーター協会

 

(有)ヴァンセーヌサービス代表
日本フードコーディネーター協会
常任理事   酒井 一之


「鰻料理   エトセトラ 3」

                                                                               フランスのウナギ料理

フランスのウナギは、学名「アンギーユ アンギーユ」ウナギの中のウナギ、さしずめ本ウナギとでも言うかウナギの王様。
ロワール河、リヨン近くのドンブ平原、ボルドーのジロンド河とフランス各地に多く生息していたが、環境の変化に加え、日本に輸出する為に中国がフランスからウナギ稚魚を多量に輸入し過ぎたことも原因で今や絶滅危惧種あつかいである。

日本にもフランスからウナギの稚魚を輸入した時期が有ったが、裏にはこんな歴史が秘められている。
1960年後半から1970年にかけフランスの生牡蠣が病気で全滅してしまった。余り魚介類の生食はしないフランス人だが、貝類は例外で、生ガキはフランス人の国民食とも言える大好物。この時フランスは日本から宮城産の真牡蠣の種を輸入して、フランスの牡蠣産業が立ち直った経緯が有る。

 この時お返しにウナギの稚魚を日本に送った(OKAESHIお返し)は有名な話で、フランスの牡蠣生産者は現在でも日本の牡蛎生産者に感謝をしている。(現在フランスの真ガキの90%はこの時の子孫である)

最近はフランスでもウナギ料理も少なくなったが、ウナギの薫製は絶品である。直径4〜5cm、脂ののった薫製はそのまま、カナッペ、テリンヌ、裏ごししてハーブ、クリームと合わせたり、美しいゼリー寄せ等バラエティーは豊か。
有名な料理は赤ワインで煮込んだ「マトロット」、同じく赤ワインで煮込んで血でソースをつなぐ「シベ」。一寸変わってスペイン国境近くのピレネー地方の「シベ」はチョコレートでソースをつなぐ。

ボルドーの対岸時ロンドでは目の前の湾でウナギが捕れる、
カルレと呼ばれる3m角の網を海に突き出た小屋からウインチで海におろし沈め、しばらくしたら巻き上げる。運良く魚が通りかかれば網に入るという、のんびり漁法だが、結構漁獲が見込める。
一緒にカルレで遊んだ土地老人が私に言った。
「いいかねシェフ、ウナギを煮込むにはジロンドのワインが最高。ボルドーの奴らにいくら言ってもボルドーワインで料理しちまう、と教えてくれたが、これについてはブルゴーニュではブルゴーニュワインが最高と言うし、アルザスはアルザスワインでと主張する。
その土地の素材はその土地の材料で料理するのが正解であろう。

ベルギーの、アントワープの「ウナギの緑煮込み」は白ワイン、ホーレン草、パセリ、エストラゴン、セルフイユで煮込んだ鮮やかな緑色した煮込み料理。ウナギのビール煮も捨てがたい。

先日行なわれた仁川アジア大会に併せ開催された「アジアフードフェスティバル」開会式に招待され、仁川に行ってきた。
夜、不案内の土地で一人ぶらぶら町を歩いた見つけたウナギ料理の店。
日本の蒲焼きに一寸似ているがスパイシーで最近食べたウナギ料理の中では秀逸。ニッポンウナギよりやや大きく一皿2匹が注文単位

 一人で2匹も、とビビったが、取りあえず注文。店頭の生け簀から2匹網で掬って見せに来た。かなり立派なウナギで20分間待って欲しいと言う。

日本の蒲焼きと同じ様に捌いて、再度見せに来て、これで良いかと確認。待つ間で、取りあえず韓国ビールで一人乾杯。

  韓国の焼き肉店に入るとキムチや様々な付け合せが沢山出て来るが、ウナギ料理には大葉、ワケギ、ニンニク、蕪のつけも、ニンニク、小さなチヂミ等12〜3種の薬味が出て来た。これをウナギと食べるのだが、ビールのつまみに食べたが、これだけで十分旨い。

 

 

  やがて焼き上がってきたウナギ2匹は串を打たずに棒焼き状態。

 

 


 

 

  目の前で大きな挟みで4cm幅くらいに切り網の周囲にぐるっと丸く盛る。網の周囲に盛るから焦げないし、熱々の状態。大葉で巻き、ニンニクを挟んで、葱ニラと食べ、大満足で2匹食べきった。蒲焼き程甘くなく、蒸し過ぎず、最近出会ったウナギ料理のNO1でした。

 

 

 香港のウナギ料理、上海の田ウナギ炒め、四川で食べた真っ赤な唐辛子で煮込んだ料理、ユーゴ、ギリシャのウナギ料理。
もう一度、それぞれの国に食べに行きたいとおもっているのだが。

 

 

                         終わり

 

 

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