食のプロ・コラム

ブルターニュのお菓子

  • 2014年03月28日
  • 日本フードコーディネーター協会
フランス菓子、料理研究家
名誉フードコーディネーター
大森由紀子


ブルターニュのお菓子

今でこそ、ガレット・ブルトンヌやクイニー・アマン、そして、そば粉のクレープは珍しくないが、これらは、フランスでも、パリではなく、イギリスに近いブルターニュ地方の伝統的なお菓子やお惣菜です。

 

クレープはもともとそば粉でつくったお料理系のものが主役でした。土地があまり豊かでなかったブルターニュに、中世、十字軍によってそばがもたらされてから、そば粉のクレープはブルターニュ地方の主食になったと言われています。のち19世紀になり、鉄道が発展するようになって、様々な肥料や素材の運搬も可能になり、小麦粉の甘いクレープが作られるようになったのです。

 
またブルターニュは、乳製品も豊富で、特に他の地方では食されていない有塩バターを生産しています
。ブルターニュには、ゲランド半島の美味しい塩の産地も控えているため、塩も名産のひとつ。そんな乳製品と塩の融合で、ガレット・ブルトンヌやクイニー・アマンのようなお菓子が作られています。ガレット・ブルトンヌは一説によると、イギリスのショートブレッドが起源という話もあります。


また、クイニー・アマンは、ブルターニュの海沿いの町、ドゥアルヌネのパン屋さんが、夕方売り物がなくなってしまって即興で作ってみたら、なんとそれがのちのち作り続けられることになったとか。1860年の話です。
クイニー・アマンとは
、ブルターニュの言葉で、バターのお菓子という意味です。

クイニー、出来上がり

 クイニー・アマン1

 

 

 乳製品と塩といえば、もうひとつブルターニュ地方では忘れてはならないものがあります。
キャラメルキャラメルです。とくに、キブロンのショコラティエ「アンリ・ルルー」のキャラメルは絶品。
オーナーシェフのルルーさんは、60歳で引退してしまいましたが、そのお店は日本にも上陸。ルルーさんが育てた弟子たちが、その塩味キャラメルのレシピを引き継いで作ってくれているのはうれしいことです。このキャラメルを食べると、ゲランドの塩田に吹く風を感じます。

 



 


大森由紀子プロフィール

フランス料理、菓子研究家

学習院大学仏文科卒。パリ国立銀行東京支店勤務後、渡仏。パリで料理と菓子を学ぶ。

フランス地方の食に魅せられ、20年以上、フランス地方の旅を続け、メディアや本を通して、その歴史、文化など背景を紹介。一方、フランスのパティシエたちとの交流も20年にわたる。

目黒区祐天寺にフランス菓子とお惣菜教室「エートル・パティス・キュイジーヌを主宰。

毎年、フランス食探訪のツアー、パリのサロン・ド・ショコラツアー、ルノートル製菓学校菓子研修ツアーを企画・同行。「魅惑のチョコレート」「パリスイーツ」「王のパティシエ」など、著書25冊以上。

HP:http://yukiko-omori-etre.com/

 

   


 

 

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