食のプロ・コラム

「年末年始のお菓子」

  • 2013年12月18日
  • 日本フードコーディネーター協会
フランス菓子、料理研究家
名誉フードコーディネーター
大森由紀子


「年末年始のお菓子」



シュトーレンが届き始めると、もう今年も残り少なくなっなぁと実感する年末。最近は、クリスマスを祝うお菓子の一つとして、ドイツドレスデンが発祥だと言われているこのお菓子もよく目にします。形があるようでないあの様相は、おくるみに包まれたキリストだと言われています。シュトーレンの特徴は、マジパンというアーモンドと砂糖をすりつぶしたものが入っているのですが、これを各家庭でお母さんたちが手作りしていたということで、たくさんマジパンが入っているほど、お母さんが家族のためにがんばって作った証になっていたとか・・。

 


そして、フランスではクリスマスのケーキといえば、ビュッシュ・ド・ノエル。こちらは北欧の生まれだと聞きます。寒い北欧の冬は、薪は必需品。そんな大切な薪を形どってお菓子にしたのが始まりです。ビュッシュ・ド・ノエルには、メレンゲのキノコがつきものです。きのこは、森の中でたくさん繁殖するということから、繁栄を願って添えるという伝統があります。
 

 

年始は、エピファニーを祝うガレット・デ・ロワを食べて、その年の幸運を占います。エピファニーというのは、日本語では公現祭と訳されているのですが、12月25日に生まれてキリストの誕生が、東方からかけつけた3人の聖人によって公にされたのでそう呼ばれているのです。エピファニーは、正式には1月6日と定められていますが、ガレット・デ・ロワは、大勢の人といっしょに分け合うお菓子なので、家族や職場の仲間、友達が集まれる1月中のいつでも、どこかで食されています。
ガレット・デ・ロワは、アーモンドクリームが詰まったパイ菓子なのですが、その中にフェーヴと呼ばれる小さな陶器の人形がかくされており、それを当てた人は王冠をかぶって、シャンパンをご馳走され、周囲の人から祝福されます。フェーヴは直訳するとソラマメのこと。かつてはソラマメを使用していたらしいのですが、1800年後半、パリのお菓子屋さんが、ドイツのマイセンに注文した陶器の人形を入れたのがきっかけになって、陶器の人形を入れるようになりました。今では、それぞれのお菓子屋さんでオリジナルのフェーブを作って入れているところも多いですね。フェーヴをコレクションするのもまた楽しいです。さあ、皆さんもフェーヴを当てて、来年をステキな年にしてくださいね。

 

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大森由紀子プロフィール

フランス料理、菓子研究家

学習院大学仏文科卒。パリ国立銀行東京支店勤務後、渡仏。パリで料理と菓子を学ぶ。

フランス地方の食に魅せられ、20年以上、フランス地方の旅を続け、メディアや本を通して、その歴史、文化など背景を紹介。一方、フランスのパティシエたちとの交流も20年にわたる。

目黒区祐天寺にフランス菓子とお惣菜教室「エートル・パティス・キュイジーヌを主宰。

毎年、フランス食探訪のツアー、パリのサロン・ド・ショコラツアー、ルノートル製菓学校菓子研修ツアーを企画・同行。「魅惑のチョコレート」「パリスイーツ」「王のパティシエ」など、著書25冊以上。

HP:http://yukiko-omori-etre.com/

 

   


 

 

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