食のプロ・コラム

飲食店の経営システム・ ・・チェーン店と単独店の違い(後編)・・・

  • 2010年03月19日
  • 日本フードコーディネーター協会

浅川コンサルティング事務所 代表
中小企業診断士
日本フードコーディネーター協会理事   浅川 明

 

      飲食店の経営システム
 ・・・チェーン店と単独店の違い(後編)・・・

                  
 

 前回は、チェーン店の経営の特徴、強みなどについて解説した。
今回は、単独店の経営について考えてみよう。

飲食店の良さ、面白さは、直接消費者から店の評価をいただける
ことである。
経営規模や資本力では圧倒的に優位にあるチェーン企業の飲食店が、
必ずしも単独経営の飲食店よりも優れて、競争に勝つとは限らない。

世の中の流れ・トレンド、消費者の価値観の変化などに的確に
対応できるかが経営として重要になってくる。
その意味で変化を読む力、またその変化に迅速に対応することも
あわせて重要となる。


単独経営の飲食店では、チェーン企業の「メニュー政策」や
「価格政策」に追随することは、自身の経営にとって
なんの得策にもならない。
多くの集客を目指すあまり、メニュー数を適正以上に増やす、
あるいは低価格を売り物にしてはならないのだ。

チェーン店は、幅広い来店動機を捕捉するためできるだけ
メニュー分野、メニュー品目数を多くしている。

そして、「規模の経済性」を活用した低価格政策をその経営上の
武器としているということは、前回説明した。

この同じ土俵に上がっては、単独経営の飲食店は勝てない。
実力が歴然と違うからだ。
 
 しかし、お客である消費者は、その店がチェーン店か
単独店かは特に来店時の選択基準にしていない。

要は「美味しい料理を、きちんとしたサービスで、
良い雰囲気の中で食べたい」と考えている。
最近のファミリーレストランの不振は、「美味しい料理」の
基準を満たしていないことからきているようだ。
どちらかと言えば、その味が“飽きられた”と言える。

単独の飲食店の目指すべき方向は、チェーンの飲食店とは
“一味違う料理”を提供することだ。
メニューの分野や品目数をどんどん増やすよりも、このことに
集中するべきだろう。
その意味では技術を磨き、専門店を志向することだ。


お客は、その店の値段が安いか高いかを「満足感」で判断する。
食事を終えてレジで支払いをする時それを感じているはずだ。
5000円でも安いと感じることもあれば、1000円でも高いと
感じることもある。

単独店は、低価格で勝負することはやめるべきだ。
同じ売上を得たとしても最終利益は減るだけである。
チェーンのような低価格での仕入れを継続することは不可能と言える。
お客の満足感が伴わない「低価格」はメリットがない。

料理、サービス、雰囲気などで、チェーンとの違いを
しっかり訴求できれば、自ずとお客の評価は高まるだろう。
値段の勝負では勝てないのだから、個性やオリジナルの
「味・サービス」で戦うべきなのだ。


個性ある飲食店の数は、需要と供給の関係でいえば、
チェーン全盛の昨今は、まだまだ供給不足の状況にある。
そこに着目して、経営を考えることが重要である。
値段ではチェーン店と比較できない「満足感」を
提供できれば良いのである。

ただし、それを継続するには、時代の変化、消費者の変化を常に
読み取る力と迅速な対応力が必要とされることを忘れてはならない。
景気低迷が続くが、単独の飲食店にとっては、これからが
チャンスともいえる。


チェーンができないこと、あえてしないことに注目して、
単独店の良さ・強みを発揮することが、単独店の評価される道だと
考える。

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