食のプロ・コラム

プロのフードコーディネーターを志す人へ エーエフディーコンサルタンツ㈱ 竹谷稔宏氏

  • 2010年01月15日
  • 日本フードコーディネーター協会
 
エーエフディーコンサルタンツ株式会社
               
代表取締役 竹谷稔宏
 

 

プロのフードコーディネーターを志す人へ

どのようにプロの専門家を目指すのか/進むべき分野を絞ること

 

近年ではフードコーディネーター、テーブルコーディネーター、メニュープランナーなど横文字がついた職業に人気が集まっています。
しかしただ単にフードコーディネーターという資格を取得してもすぐにプロとして外部から仕事を受けるまでレベルにはなく、豊富な食に関する知識や実務的経験はまだまだ欠落していることを理解しなければなりません。
真剣にプロのフードコーディネーターになりたいと願っているならば、まずはプロになるための実践的勉強や食の総合的知識、現実的に仕事としてどのような実務を行うのかなど少なくとも3年以上の現場経験(兼業も可)や継続的自己啓発が必要になるでしょう。
一概にプロのフードコーディネーターといってもテレビ番組の料理教室のアシスタント、食品メーカーのメニュー開発担当、外食企業のメニュー開発担当など専門分野も多岐にわたることです。
広義の意味でのフードコーディネーターになるためには、特に自分の専門分野を持つことであり、その分野の深い知識や実務経験を積み重ねることによって実現することは決して夢ではないことです。
つまり資格を持っていてもその認定は、あくまでもプロのフードコーディネーターになるための登竜門であると理解しておくことです。
私たちが企業側から仕事として業務を依頼される場合(業態開発や業態企画)のプロジェクトには、もちろんフードコーディネーターという専門家に参画してもらうことがほとんどであり(メニュー立案からレシピー、試作提案、調理トレーニング、開店調理指導に至るまでの業務を委託する場合も多く)、実務としてプロの専門的レベル提案が求められることが現実なのです。
特に難しい職種である飲食店のフードコーディネーターになるためには、実践で料理提案やメニュープレゼンテーションを行う実務経験や新しい感覚の調理技術がなければプロとしてなかなか成立できません。
まずは種々な職種に就くにしてもプロとしての知識や経験の積み重ねがない限り、現実的には使いものにはならない厳しい業界であることを十分に認識しておくことです。

まずプロのフードコーディネーターを目指すためには、
①特に料理に対するスキルとしては栄養士、調理士、食育などの知識レベルを
  持っていなければならないこと。
②料理分野としてすべてのジャンル(和食、中華、洋食、フランス料理、
  イタリア料理、製菓など)に精通するのかあるいは専門分野を持つのか
  決定すること。
③実務的にメニュー立案から料理プレゼンまで資料をまとめ上げる技術を
 
習得すること。
④飲食店のキッチンの仕組みを十分に理解し料理提案ができること。
  (レストランに仕組みとして注文はどのようにキッチンへ伝達され
   キッチンはどのような調理機器を使用し料理を調理するのかなど
   すべてのオペレーションの流れを理解しておくこと)
⑤提出成果物としては、メニューレシピー原価計算、写真に至るまで
  すべて準備できること。
 (メニュープレゼンでは、料理内容によって原価価格、売価設定、
  料理イメージなど写真としてまず立案し、最終的には試食プレゼン
  提案をすることになる)

⑥業種・業態別キッチン図面が理解できること、調理機器の
 機能名称や機能に至るまで一般的にことはほとんど理解して
 いること。
⑦その他提出成果物としての具体的書類など実務的に何も
 できなければプロ(専門家)にはなれないことを理解して

  おくことです。
特に飲食店の場合には、メニューとキッチンの関係や厨房機器を具体的に理解していなければ、クライアントの要望に対して「トンチンカン!」なメニュー提案をしてしまうことになるからです。
もちろんキッチン図面を理解できることやどのような調理機器があるのかなどレストランで使用されている一般的な調理機器の名称や機能は当然のことに理解しておかなければならないことです。
プロである以上料理については、限りなく豊富な知識と食のトレンド情報、流行りなどを常に持っていることが重要であり、プロの調理人と打ち合わせする場合も多々あることを理解しておかなければなりません。

つまりすべての分野の料理に精通したプロのフードコーディネーターとは、ほとんどプロの調理職人レベルであり、到底達成できない経験と技術が必要になるため、むしろ夢の実現への早道としては自分の好きな料理分野や得意な調理分野を絞ることです。
理想的には、たとえば、製菓店でパテシエとしての勉強のために企業あるいは好きな分野の料理店に調理人として現場経験を積み重ね、実務と調理技術を磨くことです。少なくとも2年以上の実務経験がなければプロとしては成立しないでしょう。
その他クライアントを説得するため話術や美味しい料理を調理できる調理技術も持たなければなりません。
またフードコーディネーターという職種は実務経験がなければ仕事としては採用されないことが常であり、進むべき専門分野を決めて実務的且つ知識としてレベルを高める努力や自己研鑽など常に目標に向かったスキルを持ち続けることが大切なのです。
「あなたの夢の扉」はあなた自身が進むべき道を決定し、扉を少しずつ開く努力をしつづけなければ「夢の扉」は開かないのです。将来プロのフードコーディネーターになって一緒に仕事ができることを願っています。
 

フードビジネスコンサルタント
竹谷稔宏 TOSHIHIRO TAKEYA


1954年栃木県生まれ。
東洋大学卒業後、大手レストランチェーンの本部スタッフとして運営、企画、
キッチンシステムおよび機器開発に従事。
1989年ツカモト・アンド・アソーシエイツ(株)に入社。1991年に独立。
エーエフディーコンサルタンツ(株)設立。
●主なコンサルティング業務
オリエンタルランド/イクスピアリ直営店キッチンデザイン、内装設計
キリンビール外食事業部(レストラン、コーヒーショップ、ビアホール、
社員食堂、アイホップアミングホテル)モスフードサービス、
ワタミフードサービス(和民)創作料理「えん」、
大戸屋、なだ万、
ベネリック、東京ガスなど
その他近年では総合的企画コンサルティング業務を主軸に様々な企業の企画開発、
業態開発、業態再生、飲食店活性化など不振店の再生コンサルティングに手腕を
発揮している。経営コンサルタント実績500社以上
連絡先
エーエフディーコンサルタンツ株式会社 AFD CONSULTANTS
〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-35-9 マンション池尻1007号
TEL 03(5431)3234 FAX03(5431)1230
●URL www.afd.co.jp

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