食のプロ・コラム

フードライターという仕事 ~フードライター品田美穂さん~

  • 2009年07月15日
  • 日本フードコーディネーター協会

フードライター 品田美穂さん  

職業を聞かれて「フードライターです」と答えると、決まって「美味しいものが
食べられて羨ましい~」というようなリアクションが返ってきます。
もちろん当たっている部分もありますが、大きな誤解も! 美味しいものを食べて、
その感想を書くのがフードライターの仕事のすべてではないのです。
フードライターの仕事にもいろいろあり、料理研究家の先生のレシピを
紹介するもの、レストラン取材をするものなどさまざま。
私の場合は「小学生が火も包丁も使わずに初めて料理に挑戦!」と
いったものから、「フランス人のシェフにインタビュー」と
いったものまで、幅広いフィールドが仕事です。
とはいえ、どれだけ読者の興味を惹きつけるか、ということに頭を
悩ませるのは同じ。
ページ構成や写真の扱い方、タイトルのつけ方などを工夫しなければ、
せっかくおもしろい取材をしても、読者にスルーされてしまう! 
それには、イマジネーションを働かせることが大切です。
そして、いっしょに働くスタッフ……料理を作る人、カメラマンさん、
スタイリストさん、デザイナーさんなどの協力も不可欠です。
とにかくコミュニケーションをしっかりとる! 
最近、コミュニケーションをとるのが苦手な人が多いような気が
するのですが、私たちは「マス」に向けて情報を発信しているモノにとって、
身近なコミュニケーションがとれないのではシャレになりませんよね。
仕事を通じて多くのプロフェッショナルな人と知り合えることは、フードライター
としての財産になるのです。
それから好奇心。
以前、私が働いていた編集プロダクションのボスがいつも
言っていたのは、「野次馬して会社に戻るのが遅れてもOK、
どんどん野次馬してきなさい。ただし、記者の目で」というもの。
これは料理記者歴ウン十年の人の言葉です。
自分が「なんだろう?」って思ったことを見過ごしてしまっては
もったいない!
料理のことだけでなく、社会のいろんなものに好奇心をいだき、
ピン!とアンテナを立てておくことが大切。
すぐには役に立たなくても、情報の蓄積や考える材料になるのです。
だから料理のことばかり考えていても、フードライターの仕事は務まりません。
私自身、学校で料理のことを勉強したわけでもなく、たまたま入った
編集プロダクションが料理専門だったから。
食べることは世界共通の問題なので、それをより追求する職業につけたことは
ラッキーだったのではと思っています。
そして、この仕事を長く続けていると、「○○にできた新しいレストランが美味しい」
というようなことよりも、「人はなにを食べるのか」という、食糧問題にも興味が
湧いてきます。
だって、人も動物も、食べずには生きていかれませんものね!
 

 品田美穂さんプロフィール

しなだみほ/
明治学院大学国際学部卒業。
料理専門の編集プロダクションで勤務し、1995年春に退社。
その後、大好きなヨーロッパを 1人で4ヶ月旅行し、
帰国後フリーのフードライターとして活動。
雑誌の記事や料理本の制作にたずさわる。
得意な分野はフランス料理。
なぜかフランス人シェフの会の会員でもあり、フランス人シェフの人脈は幅広い。
最近では旅ものも含めた海外取材も多くこなす。

 

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